【書評】ブチ抜く力【与沢翼】
「秒速で1億稼ぐ男」として、かつて一世を風靡した与沢翼さん。正直、私の中では少し派手なイメージが先行していました。しかし、一度は無一文になりながらも、そこから総資産70億円を築き上げるまでに復活を遂げた彼の言葉には、想像を絶するほどの説得力と熱量が込められていました。 この「ブチ抜く力」という本は、そんな彼の成功哲学が凝縮された、まさに「劇薬」のような一冊です。 ## 成功の秘訣は「たった一つ」に魂を込めること 本書を貫く最も重要なメッセージは、「あれこれ手を出すな。たった一つに命を賭けろ」というものです。 私たちはつい、色々なことに興味を持ち、手を広げがちです。しかし、それでは結局どれも中途半端な「器用貧乏」で終わってしまう。与沢さんは、24時間そのことだけを考え続けるくらい、ストイックに一つのことを「ブチ抜く」ことで、初めて突き抜けた結果が出せるのだと断言します。 ## すべての物事には「センターピン」がある では、その「たった一つ」を、どうやって見つければいいのでしょうか。その答えが「センターピン」という考え方です。 ボウリングで、一番前のピン(センターピン)を倒せば、他のピンも連鎖的に倒れていくように、どんな物事にも「ここさえ押さえれば、うまくいく」という最も重要な一点が存在します。 例えば、与沢さんが実践したダイエット。そのセンターピンは「食事から炭水化物を抜くこと」でした。彼は、運動よりも何よりも、まず食事制限というセンターピンに集中したからこそ、短期間で劇的な成果を出すことができたのです。 「これがセンターピンではないか?」と仮説を立て、まず3週間、徹底的に試してみる。その実行力こそが、彼が最速で結果を出し続ける秘訣なのだと感じました。 ## 群れるな。これからは「個人の時代」だ かつて多くの社員を抱える会社の社長だった与沢さんは、意外にも「一人でビジネスをする方が、圧倒的にリスクが少なく、速い」と結論づけています。 人を雇えば、給料や人間関係、裏切りのリスクが常につきまといます。ナポレオンの「真に恐れるべきは有能な敵ではなく、無能な味方である」という言葉が、胸に突き刺さりました。 YouTubeやSNSの普及により、個人が活躍できる舞台は整っています。会社に依存する生き方は、もはや安定とは言えません。「副業禁止でも、こっそり...