【書評】女子の人間関係【水島広子】
「なんで、あの子は急に冷たくなったんだろう…」 「仲良しグループのはずなのに、いつも何かに気を遣って疲れてしまう…」 「恋人ができた途端、親友だったはずの子と疎遠になった…」 女性なら誰しも、一度は「女子の人間関係」の複雑さや、言葉にできない面倒くささに、心を悩ませたことがあるのではないでしょうか。私も、その一人でした。理由のわからない嫉妬や、見えないルールに縛られ、ただ「自分が悪いのかな」と落ち込むばかり。 そんな長年のモヤモヤに、一つの答えをくれたのが、精神科医である水島広子さんの著書『**女子の人間関係**』です。本書は、女性間の対人関係に潜む「なぜ?」を、歴史的・社会的な背景から、驚くほどクリアに解き明かしてくれます。これは、性格の悪い特定の誰かの話ではなく、私たち女性が置かれてきた、ある種の「宿命」の話だったのです。 ## 私たちは皆、生まれた時から「ミスコン」に参加させられている 本書を読んで、私が最も衝撃を受けた概念。それは、女性にとって他の女性は「良い男性を奪い合うライバル」である、という視点です。 歴史的に、女性は男性から「選ばれる側」でした。そのため、より社会的地位の高い男性に選ばれるための競争が、常に水面下で繰り広げられています。その最大の武器が「美しさ」。つまり、私たちは生まれた瞬間から、本人の意思とは無関係に「美しさ」を競うコンテストに強制参加させられているようなものなのだ、と本書は分析します。親友でさえ、魅力的な異性が現れればライバルに変わりうる。そう考えると、今まで経験してきた不可解な嫉妬や裏切りの根っこが見えてくる気がしました。 ## なぜ、女子は「群れ」を作りたがるのか 一人でいることへの、あの奇妙な恐怖感。男性は一人で焼肉や映画に行けるのに、なぜ女性は誰かと一緒に行きたがるのか。その理由も、この本は教えてくれました。 それは、「友達がいない寂しい女」「誰からも選ばれなかった女」というレッテルを貼られることへの、無意識の恐怖から。その恐怖から逃れるために、私たちは「群れ」を作り、「自分には仲間がいる」と周囲にアピールして安心感を得ているのです。そして、ライバル同士が平和に共存するそのグループの中では、「みんな平等で、同じであること」という暗黙のルールが生まれます。目立つこと、違う意見を言うことは、即「仲...