【書評】世界の一流はなぜ歯に気をつかうのか【森下真紀】
「歯医者さんに行くのは、歯が痛くなってから」 「毎日の歯磨きさえしていれば、まあ大丈夫だろう」 恥ずかしながら、これが私の歯に対する意識でした。あなたも、もしかしたら同じように考えているかもしれません。しかし、森下真紀さんの著書『**世界の一流はなぜ歯に気をつかうのか**』を読んで、私は自分のその考えが、いかに甘く、そして危険なものであったかを思い知らされ、文字通り血の気が引く思いをしました。 この本が突きつけるのは、衝撃的な事実です。グローバルな舞台では、あなたの「歯」は、あなたが何者であるかを雄弁に物語る「履歴書」そのもの。そこには、あなたの育ち、富、自己管理能力、そして性格までが、すべて現れてしまうというのです。 ## あなたの歯は、あなたの「ステータス」を語っている 私が最も衝撃を受けたのは、欧米と日本の歯に対する意識の差でした。アメリカでは、歯の矯正は運転免許と同じくらい「必須」のもの。離婚訴訟の慰謝料に、子どもの歯の矯正費用が含まれるほど、整った歯並びが社会的な成功に不可欠だと考えられているのです。 翻って、日本の現状はどうでしょうか。歯にかける年間費用はアメリカ人の6分の1。歯が黄ばんでいたり、歯並びが悪かったりしても、あまり気にしない風潮があります。しかし、本書はこれを「逆にチャンスだ」と指摘します。周りの意識が低いからこそ、手入れの行き届いた綺麗な歯を持つだけで、あなたは「自己管理ができる、信頼できる人物」として、周囲から頭一つ抜け出した存在になれるのです。 ## 虫歯より怖い。「歯周病」というサイレントキラー 私が「まあ大丈夫だろう」と思っていた、その口の中に、とんでもない時限爆弾が隠されている可能性を知りました。それは、虫歯よりもはるかに恐ろしい「**歯周病**」です。 本書によると、歯周病は「世界で最も蔓延している病気」としてギネス認定されており、なんと日本人の成人の約8割が罹患している国民病なのだとか。そして、この歯周病菌が、糖尿病や認知症、心筋梗塞といった全身の深刻な病気に直結しているというのです。いくらサプリを飲んでも、運動をしても、口の中が細菌だらけでは、その努力は水の泡。さらに恐ろしいのは、歯周病は一度進行すると、二度と元には戻らない(完治しない)ということです。 ## 歯ブラシだけでは、全く足りない...