【書評】達人のサイエンス — 真の自己成長のために【ジョージ・レナード】
新しい趣味やスキルに挑戦して、最初はぐんぐん上達して楽しいのに、ある日突然、パタッと成長が止まってしまう。いくら練習しても、全く前に進んでいる気がしない。そして、ついには「自分には才能がなかったんだ」と諦めてしまう…。 そんな経験、ありませんか? 私は、今までこの「才能の壁」に、何度も何度も心を折られてきました。しかし、ジョージ・レナード氏の著書『**達人のサイエンス**』は、その壁の正体が、才能の有無などでは全くなかったことを教えてくれました。それは、達人への道を進む者なら誰もが必ず通る、正常で、必要不可欠なプロセスだったのです。 ## 成長は直線ではない。「プラトー」こそが上達の鍵 私が抱いていた最大の誤解は、「成長は右肩上がりの直線だ」という思い込みでした。しかし本書は、真の成長は「短い急成長」と「長い停滞期間」を繰り返す、階段のようなものだと説きます。そして、この踊り場のような停滞期間こそが「**プラトー**」なのです。 学び始めは、誰でも急速に上達します。しかし、必ずこのプラトーが訪れる。そして、ほとんどの人がここで「もう上達しない」と絶望し、やめてしまうのです。達人になる人と、なれない人を分けるたった一つの違いは、このプラトーの存在を知り、その期間も練習を続けられるかどうか、ただそれだけだったのです。 ## あなたは達人タイプ? それとも、新しいもの好きタイプ? 本書を読んで、私は自分が典型的な「新しいもの好き」タイプだったと痛感しました。初期の急成長という蜜の味は大好き。でも、プラトーに入って成長が感じられなくなると、途端に「これは自分に向いていない」と言い訳をして、次の新しいものに飛びついてしまう。結果、何もかもが中途半端。 一方、達人やプロと呼ばれる人々は、プラトーこそが日常であることを知っています。彼らは、成長が止まっているように見えるこの期間を、「経験値を蓄積している大事な時期」と捉えているのです。目に見えるレベルアップはなくても、水面下では着実に力が蓄えられている。そう信じているからこそ、彼らは心を折らずに地道な努力を続けられるのです。 ## 達人の秘密は「プロセス」を愛することにある では、どうすればプラトーを乗り越えられるのか。その原動力は、驚くほどシンプルでした。それは、取り組んでいる物事そのものを「好き...