【書評】失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!【大野正人】
「失敗するのが怖いから、挑戦できない…」 「あの人は天才だから成功したんだ。自分とは出来が違う…」 私たちは、歴史に名を残す偉人たちを、生まれながらの才能に恵まれた、完璧な存在だと思い込んでいないでしょうか。少なくとも、私はそうでした。彼らの輝かしい功績を見るたびに、自分の平凡さや失敗を恥じ、挑戦する前から諦めてしまっていました。 しかし、大野正人さんの著書『**失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!**』は、そんな私の劣等感を、優しく、そして力強く打ち砕いてくれました。この本が教えてくれるのは、衝撃的な事実。それは、歴史上の偉人たちほど、私たち凡人が想像するよりも、はるかに多くの失敗を経験し、ダメダメな時期を過ごしてきた、ということです。 ## 「のろま」と呼ばれた少年、アインシュタイン 「天才」の代名詞であるアインシュタイン。しかし、彼が幼少期に「のろま」「ダメなやつ」と呼ばれていたと知ったら、あなたはどう思いますか? 彼は9歳になってもスムーズに話せず、学校の成績も数学と物理以外はさっぱり。大学受験に一度失敗し、就職もできず2年間無職だった時期もあるのです。 しかし、彼は自分の苦手なことには目もくれず、大好きな物理学の研究だけに没頭しました。彼の人生が教えてくれるのは、全ての欠点を克服しようとするのではなく、**自分の得意なこと、情熱を注げるたった一つのことに、人生を賭けてみること**の重要性です。 ## 自分の会社をクビになった男、スティーブ・ジョブズ 自ら設立したアップル社から、追放されたスティーブ・ジョブズ。その絶望は、想像を絶します。普通の人間なら、そこで心が折れてしまうでしょう。しかし、彼は違いました。「周りがバカなのが悪い」と、すぐに次世代のパソコン会社を設立し、さらに、のちに『トイ・ストーリー』を生み出すアニメ会社ピクサーを買収します。 彼の驚異的な復活劇は、私たちに**「過去の失敗に固執せず、未練を捨てて次に進む」**ことの大切さを教えてくれます。最悪の事態に見舞われても、自分を信じ、前進し続ける限り、道は拓けるのです。 ## 音を失った作曲家、ベートーヴェン 音楽家にとって、聴力を失うことほど絶望的なことがあるでしょうか。ベートーヴェンは、その苦悩から自殺まで考えました。しかし、彼はその絶望の淵から、作曲という行...